自信・根拠・蝶番命題と信じること

「根拠のない自信」とは言うが、自信に根拠があってもそれは自信と呼べるのか疑問視している。

困難な課題があったとして、「過去の私がやってきたことを参照すれば、これは実行可能である」というのは、自信が要請されているときではない。

自信というのは、実績や今までやってきたこと・体験していないことへ挑戦するときに必要になる。あるいは、困難なことを実行せねばならないとき、成功が確実でないことを認識しているアクションを実行するとき、自信が要請される。

Confidentと自信

英語圏では「根拠のない自信を持て」と言う文化はないようだ。単に「自信を持て」=”Be Confident”で、日本における「根拠のない自信を持て」と同じ使い方がされている。

そもそも、自信とConfidenceは同じ範囲を指し示しているのかも危うい。Confidenceだけでも「自信」的用法は可能だが、より意味を限定し「自信」=「自分を信じること」に近づけるならば”Self-Confidence”がふさわしい。

”feel confident about~”などと使う場合は、〜だと信じている、〜だと信頼している といった使い方をされている。

こうなると、「信じる」とは何なのか疑問が湧いてくる。

過去に、蝶番命題について言及したことがあったが、ここから議論を波及させると「そもそも前提を信じるのは何の根拠に依るのか・依拠するのか」気になってくる。

根拠を示せないものがここでいう前提であり、根拠を示せないものを信じなければ命題及びロジックが発生しない。

「自信を持て」なる言明はそのまま「信じろ」なる言明に転換できる。

ここで、確率論的な視点が頭をもたげてくる。ヘビー級のボクシングチャンピオンが幼稚園児とボクシングの試合をすることになったとしよう。

常識的に考えて、このマッチアップはアホくさいものである。だが、チャンピオンが試合中に心臓発作を起こす可能性は存在するし、審判が買収されている可能性もある。

選手も試合開始と同時にサレンダーするかも知れない。

これらは確率論の範疇の話である。

「信じる」というのは、前述した理論の前提を受け入れることと、因果関係=100%の確率で繋がるAとB二つの現象を受け入れることである。

自信がある人と無い人の違い

「自信のない男」と周囲に認識されている人間だって、自分はほんとうは月に行ったことがあるのではないかと疑ったりはしない。

人間の内面などほんとうには推し量れないので、「自信のある人間」は正確には「自信がありそうな人間」である。

四十年刀鍛冶をやっている人間が、不安を感じることなく刀を製作できるのは当たり前である。今までやってきたことを繰り返せば良い。

自分の自信のなさに悩んでいる人間の多くは、本業及び人間関係に不安を感じているものたちだ。

しかし、「失敗しても良い」「成功しなくとも良い」と考えたとき、人のパフォーマンスは落ちる。「別に恋人になれなくても良い」と思っている人に、人がどれほどのリソースを投入するだろうか?

不安を感じることは、あなたが「それ」をシリアスに捉えていることの証だと考えられる。そして、一見して「自信がある」人はもしかすると自信があるのではなく、単にどうでも良いと思っているだけの人から知れないのだ。

真剣度と自信と「自分に自信がない」

「自分に自信がない」という自己認識は非常に曖昧模糊としてる。客観的な認識というよりは、漠然とした自己イメージ・像だろう。

大雑把に

「全体的に自信がある人間」

「全体的に自信がない人間」

「自陣がまだらな人間」

この3種類を想定できる。漫画に出てくる万能キャラでもない限り人は3つめの「自信がまだら」である。

神田伯山は「テレビは片手間に出ている」と太田伯山で語っていたが、テレビにしがみつく人間よりも、テレビなんてどうでもいいと思っている人のほうが発言・キャラクターに一貫性は出るし、強気に出ることができる。

〜に対する自信は自信の対象物が存在するが、単に「自信」と言ったとき、通常それは抽象的で転換可能な概念を指す。

ただし、人は対象なしに「信じる」ことはできない。必ずなにか対象が存在する。

「全体的に自信がある人間」とは、「自分(の優越性)を信じている人間である」。

是非フォローしてください

最新の情報をお伝えします

桜田真助
  • 桜田真助
  • Twitterアカウント:@kingofgatayama
    92年大阪生まれ。なにもかも分かったような気に最近なっていて、これはダメだなと焦って疑問を探している。プロフィール画像は友人(@leilamarinacb)から頂きました。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です