差別の最終形態

2015年10月20日、イスラエルの首相ネタニヤフが、「ヒトラーはユダヤ人を絶滅させたくなかった。ヒトラーは最初、ユダヤ人を追放しようとしていたが、パレスチナのアラブ人ハジ・アミン・アル・フセイニに唆され、ユダヤ人虐殺に至った」との説をシオニスト機構で展開した

政治家の嘘は珍しくないが、ここまでの歴史修正主義者っぷりを一国の首相が見せるのは異例だろう。ドイツのネオナチが発しそうなメッセージである。

このネタニヤフのスピーチは、YouTubeなどで確認できるが、その動画のコメント欄で

ユダヤ人にしたって、この発言は卑しい(注:元の表現は”Low”)」とあり、そのコメントのリプライに

ユダヤ人にしたって卑しい=Lowというのはない。奴らは全員等しく卑しい」とあるのを見つけた。

コメント主とリプライ主、どちらも反ユダヤ的な態度が見受けられるが、どちらがより苛烈か? もちろん後者だ。

コメント主は、「ユダヤ人にも、いい人はいる」と信じている

(少なくとも、「”そんなに悪くないユダヤ人”はいる」と思っているだろう)

リプライ主は、「ユダヤ人に”いい人”はいない。全員が等しく最上級に卑しい」と信じている。

家父長制とフェミニズム

ツイッターで、延々と男叩きをしているアカウントをフォローしている。

(日本の)女性は虐げられており、”男は女性が受けている苦しみを受けずにすみ、なおかつそれを理解できないという”スタンスでずーっと呟き続けている奇妙な方だ。

自らを”フェミニスト”を名乗る方達のなかで、一定以上のかなりの割合で「男性は、家父長制(注:父権制でも同じ)の恩恵を受けている」と主張している層がある。

「男たちは”女”を虐待し、搾取し、モノ扱いしている」

だいたいそんなことを書いていて、そうかも知れないと思う。

しかし、このアカウント主は「そんなに嫌いじゃなかった会社の同僚が、女を見定めるような発言をしていた。こいつはもう私の中ではゴキブリだ」といった旨のツイートをしていた。

このアカウント主は、まだ差別の最終形態に至っていないことが分かる。

人種的・生物学的決定論

「《集団X》は卑しいが、そうではない《集団Xに属する個人Y》はいる」との見地に立っている者は、決定論者ではない

この場合の決定論とは、「男性に生まれたものは、等しく”男性”であることの加害性から逃れられない」との見地である。生物学的決定論の変形といえる。

(”決定論”は使用者によって意味の隔たりが大きい。そこは留意して頂きたい)

生物学的決定論が全て”男性嫌悪”的なわけではない。「女というのは、どいつもこいつも皆んな…」と話を切り出す酒場の酔客だって、生物学的決定論者である。

差別と差別主義者の最も恐ろしい形態が、決定論者であるのは間違いない。なぜなら、救済がないからだ。改善のしようもない。

差別的な決定論者にとって、解決方法は「戦争」による「抹殺」しかなくなる。

良き心を持った決定論者

何の本だったか忘れてしまったのが申し訳ないが、私は昔「良き心をもった差別的人種決定論者」とでも形容すべきアメリカの牧師のエピソードを読んだことがある。

その牧師は、「黒人は劣っている」と信じており、それは改善のしようにも限界があると信じていた。しかしその牧師は「黒人は劣っているかも知れない。しかし、我々は等しく神の子である」と主張し、奴隷制に反対した。……

「認識」と「行動」は違う。同じ「《集団X》は決定論的に劣っている」から、

  • 《集団X》を絶滅させるべきだ
  • 《集団X》を追放すべきだ
  • 《集団X》と隔離して暮らすべきだ
  • 《集団X》を保護すべきだ
  • 《集団X》を支援すべきだ

の行動=アクションが導きうる。どこで分離するのか?

モラルが最も大きい分離要因になるのは疑いようがないが、その他にも要因は導き出せる気もする。例えば、理想社会の実現を、どのくらいのスパンで実現させようとしているのかなど。

”白人だけが自治し、居住できる国”を、50年以内に作ろうとするのか、400年以内に作ろうとするのかでは、選択肢・アクションは多いに異なるだろう。
穏健派=(漸進的改革を望む派)と急進派=(能う限り、早急な改革を望む派)とでは、当然くり出す結論=行動はズレるのだ。

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桜田真助
  • 桜田真助
  • Twitterアカウント:@yamakawa6500
    92年大阪生まれ。なにもかも分かったような気に最近なっていて、これはダメだなと焦って疑問を探している。プロフィール画像は友人(@leilamarinacb)から頂きました。

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