ファクト・ハラスメントは存在するか

ファクト・ハラスメントなる言葉がある。

(略してファクハラ)

元々は「”事実”をデマ等に突きつけて、デマの拡散者の言葉を傷つける」ニュアンスが込められているが、何でもかんでも「ハラスメント」に結びつける風潮を皮肉るコメントから自然発生した概念なので、明確な定義はない。

「ファクト・ハラスメント」なるワードを知ったのは最近だが、妙に既視感があった。その既視感をたどってみると、いくつか似た語法をそれまでに見ていたことに気づく。

ロジハラとファクハラ

「正論で相手を責め立てる」行為は、ロジック・ハラスメント(通称ロジハラ)と呼ばれている。

「正論なのにハラスメントなのか?」と疑問が出て当然だが、ハラスメントの意味を「受け取った本人が嫌だと思えばハラスメント」だと思えば、そんなに違和感はなくなる。

元々、「ハラスメント」なるワードは日本に定着しだしたころ、”ハラスメント”が使われるのは専ら「セクシャル・ハラスメント」だった。

そこから「パワハラ」だとかの派生系がどんどん増えていった。

「未熟者・半人前・後輩は口答えするな」という日本の古い価値観が、崩れてきたことが分かる。

「~・ハラスメント」のパロディとしてのファクト・ハラスメント

2018年頃から、LGBT運動を快く思わない人たちが「Pedophobia」なる新造語を編み出した。意味は「小児性愛者嫌悪」である。

この単語は、明らかに「Homophobia」を茶化すために発生した言葉である。同性愛嫌悪を病気扱いしていいのに、小児性愛者嫌悪はフォビア扱いされないのはおかしい、云々。

その主張の是非はともかく、ペドフォビアなるワードを使う連中も、本気では言っていない。彼らがやっているのは、LGBT運動の典型的な語法をパロディ化することである。

  • Born this way(このように生まれた/生まれつきの・生来の)
  • Unchangeable(変えられない)
  • Sexual Orientation(性指向)

これらのLGBT運動に典型的な主張方法を、そのまま小児性愛者に当てはめるとどうなるのか”偽善者”に見せたい願望を、多くの人が抱いていた。

ファクトハラスメントも、同じ構造をしている。あるいは、同じように認識すべきである。

「我々が「セクハラ」「パワハラ」を糾弾するときと同じ調子で、「ファクハラ」を糾弾できるか?」という問いは、無駄ではないと思う。

空飛ぶスパゲッティ・モンスター教も、イデオロギーを同じくしている。一般的な宗教の「神」にまつわる主張を、スパゲッティ・モンスターに当てはめるとどうなるのかというアイロニカルな試み。

ファクハラは、存在する

前言を撤回するようで悪いが、「ファクト・ハラスメント」は存在すると思う。

なぜなら「事実を伝えることが、いつだって正しい」とは限らないからである。必要以上に事実を述べ立てて、誰かに嫌がらせをするという状況は、十分にありうる。

だが、「パワハラ」と違って、改善はそう難しくない。ファクハラ対策のためには、説教を早めに切り上げればそれでいい。

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桜田真助
  • 桜田真助
  • Twitterアカウント:@yamakawa6500
    92年大阪生まれ。なにもかも分かったような気に最近なっていて、これはダメだなと焦って疑問を探している。プロフィール画像は友人(@leilamarinacb)から頂きました。

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