ヒスパニックはメスティソの婉曲表現でしかない

ヒスパニックという概念はややこしい。年にヒスパニックの割合が だったのが、年には になり、将来的には”非白人”の割合が多数派になる……。

ヒスパニック・ラティーノの定義は各々で定義・範囲が異なるが、アメリカの国勢調査局の定義では土スペイン人=Spaniard も含まれている。 

馬鹿正直にこの国勢調査局の基準を適用すれば、200人規模の街のうち110人がスペイン出身で、90人が”白人”ならば、非白人が多数を占める街となる。

ヒスパニックの何が問題か

白人、黒人、アジア人という範疇が、ヒスパニックによって上塗りされてしまっている。そもそも白人や黒人というカテゴリーすら何も説明していないのに。

ヒスパニックという単語が使われ出したのは比較的最近で、1977年の国勢調査から、後に政府関連でも使われ出した。しかし、ヒスパニックあるいはラティーノと言っても射程範囲は主にメキシコ系の人を暗黙のうちに了解している。

第一、文化や起源がメキシコやプエルトリコ、ドミニカの内にあるからといって、スペイン語が話せるとは限らない。

ヒスパノフォンという概念

カナダにおける「フランコフォン」という概念は、フランス語を第一言語とするか否かで規定されている。実際に日常でフランス語を使っているかどうかは関係ない。

〜フォン(アングロフォン・ヒスパノフォン等)なる概念も片手落ちではあるが、ヒスパニックよりはよっぽど良い。人種・民族・文化概念ではないからである。

メスティソの婉曲表現

もちろん、ヒスパニックという用語は必要だからこそ使われだした。政府にも用いられているのには理由がある。言辞の皮層を弄しても仕方ない。

中央アメリカ諸国から労働者・移民が1970年代から米国に溢れ出したとき、白人は彼らを「我々」とは見なさなかった。そして、直接「中央アメリカ人」、あるいは「メスティソ」「ブランコ・メスティソ」などの殖民地時代の用語を使うわけにもいかず、婉曲表現としてヒスパニックまたはラティーノが採用され、人々は婉曲表現であることに無自覚なままである。

(ただし、インターネット発のメディアなどが「ヒスパニック」あるいは「ラティーノ」の語を用いるときは、純粋にマーケティング・検索エンジン対策でしかない。とくにリベラル系の情報媒体)

いわゆるヒスパニック・ラティーノが白人・黒人・アジア人ならば、それとは別にヒスパニック/ノンヒスパニックの区別など必要なかったはずである。

ブラウンという概念

“ヒスパニック”は官製の用語である。

ブラウン(茶色)という民間発祥の用語は注目に値する。メキシコ人やらインド人やら中東の人間がこの人種であると自己認識しているが、ブラウンという概念は「白人ではなく、黒人でもなく、いわゆるアジア人でもない」否定系の修辞で薄ぼんやりと規定される概念でしかない。

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桜田真助
  • 桜田真助
  • Twitterアカウント:@kingofgatayama
    92年大阪生まれ。なにもかも分かったような気に最近なっていて、これはダメだなと焦って疑問を探している。プロフィール画像は友人(@leilamarinacb)から頂きました。

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