Karate Combat カラテコンバットに将来性はあるか

最近(?)、ONE FCがオープンフィンガーグローブでムエタイをよくやっている。

4オンス以下のグローブだと、グローブの大きさに頼ったディフェンスができず、結果的に普通のムエタイとはなんだか違った戦術が繰り広げられている。

当然だが、OFGグローブだとグローブに頼ったディフェンスができない。

レミーボンヤスキーがK-1でやっていた、グローブを顎にぴったりくっつけてミドルを連発する戦い方はできなくなっている。

アイポークの問題に目を瞑れば(?)、なかなか面白いルールである。事実、2019年ONE FCはこのルールのカードをよく組んでいる。

Karate Combat のルール・レギュレーション 

Karate Combat(カラテコンバット)なる新しいフォーマットのコンバットスポーツが、 2018年より興行化している。

かなり独特な、今までにないルール下で興行が行われており、格闘技ファンなら注目に値するだろう。

以下、概要を記す。

服装

服装は、上半身は何もなく、下半身は道着(空手着)を着用している。さながら空手家の練習風景である。

グローブ

オープンフィンガーグローブを着用。

空手はそもそも徒手空拳の技の鍛錬を目的に始まっているので、「K-1」のようなグローブ空手は、そもそもの空手の理念から外れるだろうと思っていた。カラテコンバットのグローブ選択はかなり好きだ。

なお、UFCと違ってグローブの拳の部分が丸い。パンチ力を上げるのと、骨折などの怪我から拳を守るためだろう。

リング・対戦場所

Karate Combat の対戦は、リングでもオクタゴンでもなく、6.5メートルの正方形のマットの上だ。

また、マットの側面には緩い傾斜のロープが備え付けられており、リングアウトを防いでいる。

寝技・グラウンドゲーム

寝技は認められているが、関節技は禁止だ。あくまでもパウンドのみ認められている。

なお、投げはルールの許容範囲内。

特筆事項 

録画放送に限るが、選手の攻撃にエフェクトを付けて放送していたりする。

また、カメラワークも独特であり、コンバットスポーツの興行によくある斜め上からの撮影から、選手のアップに移行していたりする。

映画「ファイトクラブ」みたいだなと皆思うだろうが、実際にファイトクラブのカメラワークを参考にしているのは間違いない。

路上での戦闘技術養成のために発展した空手だが、このように劇的な演出で対戦風景を映しだし、エンターテイメントにプロモーターは昇華しようとしている。

(ボードリヤールは、日常はディズニーランド化していると喝破したが、Karate Combatも日常が非日常に侵食された特異な例だろう)

対戦の傾向

K-1の元プロモーターである石井和義が、実験的にフルコンルールに上段付き(顔面パンチ)を導入した試合を正道会館で実施している。

フルコン空手の試合は、基本的にボディパンチとローキックの応酬で進められるが、顔面パンチを解禁するだけで、ローキックの頻度はガクンと下がるらしい。

カラテコンバットの試合を見ていると、松濤館空手の組手のようだなと思う。

(選手も、ムエタイ・キック風の前向きの立ち方ではなく、比較的横向きに立っている)

しかし、カラテコンバットは未だ発展途上のフォーマットであり、選手がルールに最適化し出したら、どんなスタンスで試合を運行するのか分からない。

試合に呼ぶ選手を、松濤館などのいわゆる伝統派空手から呼んでいるのも影響しているだろう。

カラテコンバットは発展するか

伝統派空手の試合は、例外を除き寸止めである。勘違いしている人も多いが、寸止めというのは当ててはいけないことではなく、フルスイングしてはいけないという意味

伝統派空手・松濤館空手の組手が寸止めじゃなかったらどうなるのか。カラテコンバットにはその答えが詰まっている。

キックボクシング・総合格闘技ほどの発展は、少なくとも私の生きている内には起こらないだろうが、このフォーマットで生計を立てる人が出ても不思議ではないと思う。

そう思った根拠を述べる。

ONE FCがオープンフィンガーグローブのムエタイを頻繁に行っているが、なかなかの盛況ぶりである。毎興行にそのフォーマットの試合が組まれている。

一部のコアなファンは別だが、総合格闘技の寝技合戦・グラウンドゲームにはファンが少ない。カジュアルなMMAファンは、殴り合いを求めている。

ではキックボクシングを見れば良いじゃないかと言いたくなるが、キックボクシングはグローブが大きいこともあり、MMAほどパンチが顔面に通らないし、レフェリーのブレイク(クリンチ状態解除)も、キックボクシング・通常のムエタイのテンポを崩してしまう。

オープンフィンガーグローブのムエタイと、カラテコンバットのフォーマット・ルールは、カジュアルなライトMMAファンには求心力がある。彼らに魅力的にうつる。

まだ全然プロモートされていないので、非格闘技オタクがこの興行に気付くまで、どれくらい時間がかかるかは分からないが…。

参考:Karate Combat Official Regulation

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桜田真助
  • 桜田真助
  • Twitterアカウント:@yamakawa6500
    92年大阪生まれ。なにもかも分かったような気に最近なっていて、これはダメだなと焦って疑問を探している。プロフィール画像は友人(@leilamarinacb)から頂きました。

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