コンバットスポーツにおけるKOとは何なのか

ロバート・ウィテカー対イスラエル・アデサンヤの試合が行われたのは10月6日。ウィテカーはいくつかの優れたパンチやハイキックをアデサンヤに見舞ったが、結果は2RKO負け。

アデサンヤのストライキングスキルは高く、スウェー状態からウィテカーの顔にフックを繰り出し、見事に打倒した。

ツイッターなどで反応を見ていると、ウィテカーのプランを疑問視するものが多く見受けられる。MMAキャリアの浅いアデサンヤに対し、テイクダウンを試みなかったのは不思議だ、間違っていた、云々。

ここで、根本的なレベルと、更に一般的なレベルで「戦術」と「勝利」について考えてみる。

ファイトスタイルを変えること

キックボクシングの打撃と、MMAの打撃は違う。グローブのオンスが違うし、MMAではオープンフィンガーグローブを用いる。

ONE FCなんかは、オープンフィンガーグローブでムエタイをやってたりするが)

また、MMAではタックルの脅威に常にさらされ続けるため、姿勢を高く保っているとテイクダウンされやすい。

キックボクシングの試合を長年やっていたアデサンヤに対し、「テイクダウンをする」と戦略打てるのはおかしくはないが、レスリングの強者であるブランソンはアデサンヤのテイクダウンに失敗している。

ウィテカーは自身のテイクダウン能力がそれほど高くなく、真骨頂は打撃である。

しかし、戦術・スタイルというのは変えるのが難しい。バレエを長年やっていると、ヒップホップダンスにうまく馴染めないなどの問題と同質だ。

(極真空手家が、顔面ありルールだと苦労するのにも似ている)

「考える前に反応して動ける」ということは、言い換えると体が勝手に反応してしまうことであり、新たな環境への対応が難しいことでもある。

「負けたと言うことは、何か間違いがあったはずだ」と考えるのは、机上の理論が過ぎる。プランは最適解だったが、結果は芳しくなかったなる事態を考慮すべきである。

スタミナ切れで有名な選手に対し、じっくり攻めあげようとするのは間違いではない。そして、その結果急なラッシュに耐えきれず負けることはあり得る。

統計

スポーツに勝とうとする戦術も、科学だろう。しかし、因果関係を組み立てるように、勝利することはできない。

勝利の方程式というが、スポーツはどこまでも統計である。

格闘技はクディッチである

(柔道やレスリングも、KO負けのような状態はあることにはあるが) 

打撃のあるコンバットスポーツにおけるKOは、判定勝利の延長戦にではなく、試合の続行が不可能だと判断された証である。

野球に「ホームラン」なる制度上の得点があるが、あれは実際上「ランニングホームラン」である。守備陣がボールを追えないと判断されたため、バッターはベースを回ることが出来る。

サッカーならば、ポストのどこにゴールしようが、一点は一点。しかし、あくまでも理論上ではあるが、対戦相手をベンチ含め全員試合続行不可能にすれば、あなたのチームの勝利になる。

これを踏まえて考えると、格闘技をスポーツと呼ぶことに違和感を覚えて来る。スポーツは、対戦相手を傷つけることの規制の上で成り立っている。

ラグビーにしたって、タックルとはあくまでもボール奪取のためのアクションであり、ダメージを与えることではない。危険と判断される攻撃をすれば、シンビンが出る。

少なくともプロ興行においては、「何でもあり 相手が死亡すればあなたの勝ち」なる試合は行われない。

ハリー・ポッターに、クディッチなる競技が登場するが、クァッフルなる動かないボールをポストに入れても10店なのに、動き回って逃げ回る「スニッチ」なるボールを手に入れると、150点が追加される。

ノックダウンとホラー的シチュエーション

少しホラー映画というか、不条理説話的な話になってしまうが、仮に選手(チーム)間の勝利条件が決められており、なおかつゲーム終了の規定がない状態で、なおかつゲームが強大な力により「終わり」を告げられるまでやりとげなければいけないとする。

クディッチだと、スニッチが見つかるまでゲームは終わらない。JKローリングが「スニッチが見つかるまで一週間かかり、選手は休憩を挟みながらゲームを続けた」とのエピソードを追加している。

メジャーリーグだと、日本プロ野球のような「延長12回規定」はない。マイナーリーグの話だが、最長で33回までやったらしい。

理論上は、野球の試合は無限に続けられる。しかし、選手の体力の限界がある。それに、審判がMLB機構が特殊裁定で引き分けを告げることもできる。

「試合終了の規定はない」と告げられ、死ぬまで、そして死んだ後も試合が続いているような状態は、理論上はありうる。

だが、それはあくまでも理想上の空間でしか発生しない机上の空論だろう。

スポーツなどよりより厳密なシステムで動いているコンピューターのソフトウェアにしろ、依拠するハードウェアの劣化・停止により無限運動と暴走は永遠とは続かない。

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桜田真助
  • 桜田真助
  • Twitterアカウント:@yamakawa6500
    92年大阪生まれ。なにもかも分かったような気に最近なっていて、これはダメだなと焦って疑問を探している。プロフィール画像は友人(@leilamarinacb)から頂きました。

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