私と松本人志との時系列のおかしな出会い

松本人志のファンや、彼に思い入れがあったり、あるいは松本人志を崇拝している人は少なくない。

私は松本信者ではないが、彼が天才であることは、私からの確信ではなく第三者からの情報として得ている。

ご本人の活動の時系列とは無関係に、私は松本人志に触れている。順序を追ってしるしたい。

松本紳助(の本)

NSCが開設されたとき、各生徒の漫才・ネタを見る機会があったらしい。そのなかで島田紳助やオール巨人は生徒の漫才を見たのだが、ネタ終わりに紳助と巨人は「一人だけおったな」と語らい、それがダウンタウンだった……、という有名なエピソードを松本紳助(の本)で読んだ。

そこでダウンタウンが披露した漫才はできが良かったわけではなく、スローテンポで当時の主流だった早口の漫才から外れていたから評価したのだとか、ダウンタウンのネタの発想力(ヤクザがあたりにツバをペッペッとはいているのは、帰りの道標を作っている→雨が降ったらヤクザは家帰られへん……だとか、そんなネタを披露したと松本紳助に書いてあったと記憶している)を評価したのだとか、色々説は錯綜している。紳助も言っている内容が一定していないし、誇張や脚色・(自己)演出もあるだろう。

松本紳助で紳助の口から(文字で)語られている松本は、「天才」である。紳助が色んな媒体で繰り返し語っている、「ダウンタウンとサブローシロ―を見て引退しようと思った」というエピソードもここで読んだ。

島田紳助という人間の興味から(私は行列のできる法律相談所のファンだった)この本を買ったため、松本人志への関心というより、「島田紳助が認めている芸人」として、その時点では松本人志をそう認識している。

松本の遺書

古本屋で「松本の遺書」を見かけた。松本が死んでいないことはしっていたので、死んでもないくせに遺書を残すとはどういうことなのかと思った。

読んでみると、自画自賛及び後輩の批判、横山やすしの批判(横山やすしにチンピラの立ち話と批判された件に関しては、妥当だと思う)

この本の内容に関しては、ほとんど何も覚えていない。紳助と相方浜田と大竹まことと志村けんを「オットコマエ」なる表現で褒めていたこと、文章力が高いゆえゴーストライターを疑われているがそんなものは雇っていないと書いているところは覚えている。

それと、「芸人は何でもできる」とお笑い芸人の能力を誇示・評価したところ。

なお、ゴーストライターを疑うくらい文章力が高いとは特に思えなかった。

大日本人

中学校の修学旅行から帰ってきてた日がちょうど、松本人志初監督作品「大日本人」の公開初日だった。修学旅行が大阪の梅田解散で、そこでたまたま大日本人が公開初日であることを知って、それで見に行った。

一人で見に行ったのか友達と見に行ったのか記憶が定かではないが、とにかく作品がつまらなかったことを覚えている。笑えたのは板尾のシーンと、インタビュー中の松本人志(演じる主人公)の口に髪がなんども風で巻き込まれるところ。

映画本編よりも、やたらと早いタイミングで大きな声で笑う客がいたことを覚えている。オチ前に笑っていたのだが、分かって笑っていたのであればあいつはエスパーである。

最初は意味がわからなかったが、映画の途中でやたらと早いタイミングで笑う意図が分かった。あれは他の観客へのアピールだった。

「この笑いを俺は分かっている」「笑いを俺は分かっている」ことを周囲にアピールするために、他の観客がオチの言葉を聞き取りづらくすることと引き換えに手に入れるクソみたいなアピール。

だが、「この笑いが俺は分かるぞ」とアピールするための素材として松本人志が選ばれていることは分かった。

つまり、松本人志をわかっていることが名誉やステータスになる(と、そいつは考えた)。

ポスト松本人志の笑い

大学生時代に友人に勧められ、ごっつええ感じのDVDを何本か見た。大日本人よりははるかに楽しんだが、おそらく松本と同世代の人間が感じたであろう衝撃を、感じられずにいる。

松本人志から影響を受けた(であろうお笑い芸人の)作品やトークを既に見てしまっているので、松本が披露したであろう革新性や斬新さは感じ取れなかった。

キングコング西野がどこかで、松本人志の凄さとは発想力や構成力の側にあるのではなく(プレイヤーとしてなら、もっと優れた人がいる。すべらない話しかりIPPONグランプリしかり)、フォーマットを作る上手さにあると語っていた。

松本人志の芸能生活を、「コメディの権威化」「コメディのアート・ワールド・判断基準を創造する営み」と見なせば、彼が今得ている地位・名声も説明がつくだろう。

松本人志は、「笑えることを言う」のではなく、「これが『面白い』」あるいは「これができると(芸人は)凄い」の基準を作り上げた人である。キングコング西野曰く。

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桜田真助
  • 桜田真助
  • Twitterアカウント:@kingofgatayama
    92年大阪生まれ。なにもかも分かったような気に最近なっていて、これはダメだなと焦って疑問を探している。プロフィール画像は友人(@leilamarinacb)から頂きました。

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