MMORPGの本質と課金

トラハ(TRAHA)というMMORPGをプレイしている。以前、MMORPGに関する記事を書いたのだが、概ね評価するスタンスだった。

だが、MMORPGを続けているうちに考えるところが出てきたので、それをしたためる。

終わりなき課金レース

トラハのメインコンテンツはPVPである。プレイヤーがプレイヤーと対戦できる。

当然、相手も黙ってやられるわけではなく、反抗したりする。また、一方的になぶられ続けると仲間を呼んだりする。

MMORPGにおいて、他人より秀でる最短の方法は課金である。金を積めば勝てる。だが、金を積むにしても限界はある。

また、トラハにおいては月初や週初めのセール品はコストパフォーマンスの良い課金アイテムが出現するが、購入回数に制限があり、例えば一日でキャラクターを際限なく強化しようと思えば、無駄の多い、コストパフォーマンスの低い課金アイテムを購入しなくてはならない。

ドラえもんの道具で有名な暗記パン。仮に暗記パンに永続性があったとして、それを一枚100万円で買えるとしよう。金持ちはあっというまに多言語を習得できるだろう。MMORPGにおける、あるいはソシャゲにおける課金とはそのようなものである。

発展の鈍化と課金

通常のRPGと同じように、MMORPGは最初期においては成長速度が早い。あっという間に戦闘力やレベルが上がっていく。

だが、ある一定レベルまでいくと、なかなか戦闘力は上がらなくなる。トラハならば各武器最大レベルである60以降、精霊カードならばレベルが5を超えたあたりから。

別に課金をしなくてはならないわけはないが、トラハのメインコンテンツはPvPである。課金をしなくては追い抜かれていく。

また、過去に戦闘力がぐんぐん上がっていく、実生活・実社会では体験できない数値化・見える化した「成長」の快感を再び味わいたいが故に、人は課金の沼にハマっていく。

実によくできている。ビジネス上の問題は、競争相手が多いことだけだろう。

MMORPGの本質とは

ドラクエやポケモンならば、戦闘力の上限がある。カンストなる概念である。

だが、MMORPGにおいては通常カンストは存在しない。レベルや基礎ポイントなどのカンストは存在しても、戦闘力に上限はない。仮に大富豪が上限に達そうとすれば、運営はその一人のために上限を上げるだろう。

MMORPGとは、本質的には自主的な労働である。ギルドのために働き、クランのために働き、陣営のために働く。通常の労働と違うのは、それは純粋に喜びのために行われていることだ。疎外のない労働。

あるプレイヤーから執拗に狙われている時、陣営チャットで助けを呼べば皆助けに来てくれる。逆に、どこかへ襲撃をかけることもできる。

電子空間でチーマーごっこ(ヤクザごっこ)をやっていると言えばわかりやすいだろうか。そういえば、巨商伝というゲームでは、一つの街を資本で支配することができた。そして、戦争でそれを奪うこともできた。

どれだけ白熱しようと、資本的な意味での勝者は運営である。負けが混んで熱くなり、課金をして相手に”勝った”としても、あなたの財布は薄くなっている。

交換できない貨幣としての戦闘力

MMORPGにおいて、あるいはソーシャルゲームの世界において、リアルマネートレードがないわけではないが、決して主流ではない。

貯金ならば、貨幣ならばマネーならば我々はそれを他のものに換えられるが、インターネットのキャラをいくら強化しようと、それは消費されるだけである。

交換に困難が伴う以上、MMORPGのキャラクターは資本ではなく体験である。モノ・オブジェでもない。

また、キャラクターのありがたみというのはそれまでに至る時間や労力・リソースに依存している。知らないものにポイっと合計課金額200万円のキャラクターを渡そうが、200万円分楽しんでくれる可能性は低い。

思い出の人形と同じで、あなたにとって価値はあっても他人にとっては価値のないものである。

ソシャゲのアカウントも売買は可能だが、ビジネスとしては成立しないだろう。60万円課金しても、五万円程度の値段で売られてしまう。

プレイヤーの大半は、強いキャラクターで無双したいのではない。我々が求めているのは、日常を彩る進歩である。そして、その進歩は当の人間以外にとっては進歩でもなんでもない。

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桜田真助
  • 桜田真助
  • Twitterアカウント:@kingofgatayama
    92年大阪生まれ。なにもかも分かったような気に最近なっていて、これはダメだなと焦って疑問を探している。プロフィール画像は友人(@leilamarinacb)から頂きました。

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