科学とオカルトを区別するもの

科学とオカルトは何が違うのか。『ムー』と『ネイチャー』は何が違うのか。

皆さんがまだ覚えているのか分からないが、小保方晴子のSTAP騒動は、市民に「科学」とその信ぴょう性・権威について考えさせられるキッカケになったことだろう。

結論から言うと、オカルトと科学は「説」または体裁・形式だけでは区別できない。また、確率論でもない。

ムー大陸と「大陸移動説」

かつて太平洋にあり、現在では沈んでしまったと一部界隈では信じられている「ムー大陸」。前記した雑誌「ムー」の名の由来でもある。

「ムー大陸」がかつて存在していたという説は、海底調査などにより、学術的に否定されている(あくまでも”学術的に”)。

ここで、「エラい科学者たちが否定しているんだから、そんなものは無い」と言い切ってしまうと(あるいは信じ切ってしまうと)、STAP細胞の説も信じなければならなくなる。

しかし、STAP細胞に関しては、同じ権威ある科学者たちから反論があり、こちらも同様に学術的に否定されているからして、真実ではないと反論することもできるだろう。

では、今では世間からも学者からも受け入れられている「大陸移動説」はどうだろうか? 古くは、フランシス・ベーコンなども提唱していたそうだが、手放しで受け入れられた説ではなかった。

「現代の技術でさえ、山一つ動かすことができないのに、大陸のように大きなものを一体どうやって動かすというのか?」

その発想は、なんらおかしくはない。オカルトらしくない。

大陸移動説が受け入れ始めたのは、アルフレート・ヴェーゲナーが大陸移動説を主張した1915年から随分立って、プレートテクトニクスが興った1960年代ころからである。発表から、実に四半世紀を過ぎている。

マントル対流の研究や、地震の発生メカニズムの研究などにより、やっと大陸移動説が受容されるようになった。提唱当時はオカルトじみていたものが、周知の事実に変わったわけだ。

そして、今では真面目に受け止められない”オカルト”の代表例「ムー大陸」にしたって、未来に周知の事実になる可能性はある。それは、科学の前提である。

エクソシストと科学の定義

エクソシストは、映画やドラマなどのフィクション作品にだけ登場する職業ではなく、実際にある職業である。

(VICEで、英語だがドキュメンタリーが見れる

そして、実際にエクソシストが子供のてんかんなどを”治してしまう”ことがある。

これを思い込みだとか、あるいはエクソシズム行為によるドーパミンの沈静化うんぬんで説明スつことも可能だろうが、どれだけ理屈を打ち並べようと、エクソシズムは科学に属さない。

しかし、「科学に属さないから悪い」「オカルトに過ぎないから、悪い」とはならない。

科学の定義を紹介する。この定義は、現代の科学者に広く受け入れられている。

(もちろん、反論する人もいるし、科学の定義なんかに気を留めない人も少なくない)

カール・ポパーという科学哲学者は、科学を「反証可能性のあるもの」と定義づけた。ある説があったとして、その説が実験やデータによる反証・反論が可能なものでなければ、科学ではないとの主張である。

この説は同時に、「科学はどこまでも仮説である」との結論も導ける。つまり、「周知の事実」とは、「今現在、人々に『真』と強く信じられている仮説」となる。

(そして、このポパーの科学の定義から、数学と自然科学は違うものだという論理的帰結が導き出せる)

エクソシズムがオカルトなのは、悪魔祓いをしているからではない。心霊という「反証可能性」がないものを根拠に治療行為を施しているためである。

仮に、心霊・悪霊を科学的に観測できれば、エクソシズムは科学足りうる。チャネリングの発展(?)を待つより他ない。

オカルトと科学を区別しなくても良い理由

「超能力を使える」という人がいたとして、その人に「いや、超能力なんか無い」と否定してもしょうがない。

内田樹も言っているが、見るべきなのは「その人は、超能力を使って何をしようとしているか?」だ。

空を飛べる能力・サイコキネシスでものを曲げられる能力があるのなら、その能力を世界に広めて、電力発電をすれば良いのだ。それなのに、チャチな「超能力グッズ」を作り、自分の目先の利益だけを追求しているのなら、そこを批判する。

信じる力というのは強い。反ワクチン運動に対して私は懐疑的だが、「ワクチンは政府の陰謀である」と信じる人を、私はバカにできない。

少し「オカルトと科学」から話はズレるが、「行列のできる法律相談」にも出演している北村弁護士が、テレビで「医者の言うことは半分だけ信じる」と語っていたのを思い出す。理由は

「患者に、必要以上に薬を投与することにより、病院の経営を安定させているというデータがある」とのことだった。

外科にしろ内科にしろ、かかる患者が多ければ多いほど収益は上がる。だから、必要以上に症状を重く言って、通院させる。…ありそうな話である。というより、絶対ある話だ。

(オカルトではないだろう)

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桜田真助
  • 桜田真助
  • Twitterアカウント:@kingofgatayama
    92年大阪生まれ。なにもかも分かったような気に最近なっていて、これはダメだなと焦って疑問を探している。プロフィール画像は友人(@leilamarinacb)から頂きました。

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