VTuberの所感・考察/VTuberならではの強みとは

インターネット上にコンテンツを発表したいが、顔を晒したくない人、世に容姿を知られたくない人は少なくない。

美容系動画の動画投稿者が顔を隠すのは不可能だろうが、ゲーム実況ならば顔を晒さなくとも、というより顔を晒すことが邪魔にすらなりうる。

ゲーム実況における顔は、そのままテレビのワイプの存在と重なる。ガヤ+ワイプである。顔出しなしだとガヤだけになる。

動き・表情による面白さはとくに若年層に受けやすいので、子供人気を絶対的に確保したいのならば顔出しは必須だ。マリオメーカーの海外実況者などはほとんど顔出ししている。子ども・中高生人気を意識的に獲得しようとして。

VTuberとして活動する・VTuberになるという選択肢は、実況者の数に比べて少ないのは、純粋に用意するコストの費用の問題である。もちろんアバターをつけてネットで活動したくない、自身の顔を晒して活動したい人もいるだろうが、顔を晒したくないがリアクションを映像内に収めておきたい人たちの選択肢として、Vtuberという選択肢はコストの低下によりより一般化していくことが予想できる。

……もともと人気実況者であったガッチマン氏がこの頃Vtuberとして活動しているが、それによる効果には疑問が残る。もともとゲームに対する感情的な反応を見せる人でもないのに、リアククションの媒介装置であるモデルを表に出してどうするつもりなのだろう。

VTuberにおけるグループ活動の功罪

ホロライブ及びにじさんじが人気なのは、もちろん翻訳切り抜き動画の海外拡散やいわゆるガワ(アバター)の集客力によるものも大いにあるが、グループ化によるサークル・コミュニティ・内輪ネタの形成も大いに貢献している。

(逆に考えると、コンプライアンス違反など他のメンバーに迷惑がかかることを恐れ、議論を呼ぶような発言や過激な言動はどうしても制限されてしまう。個人勢の活路はそこにあるだろう)

同じゲームの同じ場面でも、人が違えば反応が違う。また、一人喋りをするとどうしてもエピソードが尽きて出涸らしになっていくが、対話を挟むことで消耗を抑えることができる。「私」というキャラクター・商品を違う角度で出せる。

ホロライブ・にじさんじ及び大所帯のVTuber、YouTuberあるいはTwitchなどでも同じことだが、アメリカなどで人気のリアリティショーなどがコンテンツの種類としては同じである。日本だとテラスハウスなど。

コント=フィクションでもないが、完全にドキュメンタリーや報道でもない。人と人との関係や反応=リアクション、アクシデントがエンターテイメントとして消費される。これはリアリティショーの特徴である。

切り抜きとVTuber文化

(国内外問わず、『VTuber』と呼ばれている人たちは事実上『VStreamer』なのではないかとときどき思う)

笑いどころ・ツッコミどころは切り抜きという形で第三者に拡散される。

テレビ番組においては、長回しはどうしてもコストがかさむ。ロケクルーや演者などのため。だがVTuberはいくら長回ししても配信者の体力が削られるだけだけなので、いくらでも配信を続けられる。

面白い場面、人が興味を惹く場面というのを意図的に作り出せる人もいるが(実力のあるコメディアンやセミナー講師など)、その能力は特殊能力である。

とにかく配信時間を回していれば、どこかしらで「面白い」場面は出てくる。しかし配信時間が長ければ長いほどその場面を見つけることは難しい。

VTuberの興隆に確実に貢献したYouTubeの切り抜き動画は、意図的に面白い場面をコンスタントに創造できない人に、そうである人(人気動画製作者とほぼ同義)と対抗できる力をもたらしている。

事実上、切り抜き動画は著作権の侵害でもあるのだが、多くの場合運営側から黙認されていることからも、有益な顧客獲得手段としてみなされていることがうかがえる。

容姿ハンデの無効化

身も蓋もない事を言ってしまえば、VTuberのアバター・ガワ・モデルは、美男美女にアドバンテージが与えられるエンターテイメント業界において、そうでない人にも容姿アドバンテージを与えられる画期的な発明である。

だから、本来は面白い・興味深い人物であるが容姿のまずさゆえに人気がイマイチな人が、ホロライブなり にじさんじなりに獲得され、容姿のディスアドバンテージを解消する……といったムーブがもっと頻繁に行われてもよさそうだが、この二つの会社はビジネス上の判断により、もともと配信経験者があるものを優遇、あるいは必須条件としているのでそのムーブが厳しくなっている。

また、VTuberであれいわゆる「前世」やアバター抜きの顔を詮索・知りたがる人は多く、前世流出はほぼ不可避である。

理屈は私にはよくわからないが、アニメの声優であっても美男美女が人気を獲得しやすい現実があり、運営会社はおそらく前世バレのダメージ回避のため、もともと容姿がそれほど悪くない、良い人を所属VTuberとして採用する傾向にある。悲しい現実である。

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桜田真助
  • 桜田真助
  • Twitterアカウント:@kingofgatayama
    92年大阪生まれ。なにもかも分かったような気に最近なっていて、これはダメだなと焦って疑問を探している。プロフィール画像は友人(@leilamarinacb)から頂きました。

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