一般語彙における”ロジック”とは何を意味するか

ロジックとは何かという問いに対して、バシッと一言でハマる言葉はないだろうという直感がある。
しかし、それはロジックを別の言葉で置き換えられないことを意味しない。
(他の言葉で置き換えられない言葉があるだろうか?)
人を非難するとき”理屈っぽい”とか、逆に褒めるとき”筋道立ってる””ロジカル”など、ロジックは頻発するボキャブラリー・概念である。。
にも関わらず、ロジックとは何かと考え出すと私を含め混乱してしまうのは、ロジックという単語が定義を考えなくても使える単語だからだろう。
あるいは、”東西南北”のように対義語がセットでないと機能しない概念ではないことも影響していると考えられる。
一般語彙におけるロジックとは
少し話が迂回してしまったが、ロジックとは何かを説明する。一般語彙における……と注を付けたのは、もしかしたら論理学などで明確な定義があるかも知れないからだ。
これらの概念とコンセプトは、「理屈っぽい」あるいは「賢い」と呼ばれる人たちの、得意な概念操作である。
因果関係
これをすると必ずこうなる。あれをすると必ずこうなる。
厳密な用法では、因果関係とは100%の確率で連結する現象Aと現象Bの関係を指す。
100パーセントではなくとも、確率が優位に高い場合は統計的データとして用いられるだろう。
統計
コンバットスポーツのヘビー級(無差別級でも良い)の選手は、明らかに下の階級と比べて背が高い。
これは背が高い人たちが強いことと直結しない。タイソンだとか、アンディフグは180cmそこそこという、身長だけで言えば70kg代の階級でもおかしくない身長だ。
だが、彼らは例外であり、最低でも身長は190cmを超えている。身長と身体的な強さには、有意に相関関係があると言える。
当たり前のことを言っているようだが、「割合・蓋然性が高い」ことと、因果関係があることを混同している人は山ほどいる。
ロジックの用法と例
「人は、頭部を強く殴れば死ぬ」という命題は、人の主観に寄りすぎている。そもそも、「殴る」という単語自体に「強く打つ」というニュアンスが込められてしまっている。
よりロジックらしい記述方法を取るならば
「人は、頭部に強い衝撃を与えられると死ぬ」になる。
あるいは問いの形式に書き直して
「人は、頭部にどれくらいの衝撃を受ければ死ぬのか」
ここから、死なないゾーンのトン数(衝撃度)からダメージに直結する範囲、即死する範囲へと横滑りを展開できる。
ロジックは、人の主観から離れれば離れるほど、「統計的に有意」よりも「必ず」に近づけば近づくほど、より「ロジック」らしくなる。
(なお、長大なロジックを自説で展開できる能力と、物事にロジック(構造)を見いだせる能力は別物だが、どちらがより人に賢いと思われやすいのかどうかは、今の私には分からない)

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