YouTubeが流行ったのは、「スマホで手軽に見れる」からなのか

人気YouTuberのラファエルが、オリラジ中田との対談中に興味深いことを言っていた。
「YouTubeが流行ったのは、コンテンツの良さ云々ではなく、スマホで手軽に見れるから」と(オリラジ中田曰く、”デバイス論”)、異なった角度から考察をしていた。
テレビ批判・テレビ叩きのやり口は枚挙にいとまがないが、多くあるのは「つまらない」「ターゲット層が主婦だから、若者は見ない」だとか、コンテンツ論からの切り口である。
ここで混乱が起きるのは、「テレビ衰退の原因」と、「YouTube隆盛の原因」を、無理にリンクさせて語ろうとするからだろう。
YouTubeの”動画”は面白いのか
YouTubeとは単なるフォーマット(場所)であることは重々承知の上で言うが、テレビ番組に比べて、YouTubeにある動画……YouTubeにある人を楽しませる気がないような動画を省いて、ランキングに出るような人気動画に限定したとしても、テレビを超えた面白さがあるとは思えない。
まず、かける予算が違う。YouTuberのほとんどが個人事業主で、あまり予算をかけてられない事情も絡んでいるのだろうが、深夜番組くらいの予算で動画は作られている。
予算をかけているのならまだマシで、ただ喋るだけの動画も多い。
金をかければ良いものがとれるわけではないだろうが、テレビは未だ非日常的な光景を映し出してくれる媒体としては、YouTubeは敵わないだろう。
YouTubeが優れているところ
コンテンツ論ではなく、デバイス論(機器論)的観点から、YouTubeの良いところをいくつか挙げる。
1.スマホで手軽に見れる
ベッドに横たわりながら、スマホで至近距離から見れる。リモコンはいらず、手で操作できる。
それに、パソコンと違ってスマホは起動までの時間が早い。そこも重要。
2.コマーシャルが短い(カットもできる)
テレビを見ていて嫌になるのは、コマーシャルの長さである。YouTubeにももちろんコマーシャルは流れるが、10分以内の動画なら冒頭の15秒だけだし、10分以上であっても、10何分かに一回すこし我慢すれば動画が見れる。
また、YouTubePremiumに登録すればコマーシャルはとばせる。月額1000円だったと思うが、音楽聞き放題のサービスもついてくるので、そんなに悪い買い物ではないだろう。
3.チャンネルの選択肢が多い
個人的には、これがYouTube隆盛の最たる理由と思っているのが、圧倒的なコンテンツ料である。
そもそも、Google(YouTube運営元)は例外を除きYouTubeに動画を投稿しない。そして、誰でも投稿ができる。
大半の動画は見るに堪えないスカタンでも、上位陣は年収4億を狙える分野である(海外まで目を向けると、20億以上稼いでいる人がいる)。
成功のアタリが大きいため、頭が良くて、情熱のある人物もそれなりに参入する。
そして動画投稿主は差別化を図ったり、そもそもの興味・スキルの違いなどから、投稿される動画がバラエティに富んだものとなってくる。
民放・NHKの不運は、「無料で見れる」フィールドでYouTubeと勝負しなくてはならないことである。WOWOWなどの有料放送なら、限られたターゲットにコンテンツを届けることもできるが、地上波放送だとそいはいかない。
ターゲットはマス(大衆)であり、そこで食い合いが発生してしまう。
テレビへの要望
私は、テレビっ子だった。最近は「ホンマでっか」くらいしか見ないようになってしまったが、まだテレビは好きである。
テレビへの要望を述べる。
- コマーシャルを極力減らす
- CMまたぎの禁止(非常にムカつくから)
- ひな壇番組の削減
- 忖度を極力減らす(ジャニーズなどに対する配慮が強すぎる。見ていて愉快ではない)
日本のテレビ会・テレビタレントの不幸は、有料放送が流行らなかったことにあると思う。コマーシャル・広告に依存するため、過激なことが言えなくなり、番組のカドがとれてしまい、ますます人は見なくなり、そして広告主もテレビを離れ……の、負の連鎖がずっと続いている。

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